ACT・4 『華燭の典』 〜カショクノテン〜
新一は蘭の肩を抱いて部屋へ入れる。
震える蘭を抱き締め、ありったけの愛しさを込めてキスを与えた。
「…蘭…。好きだよ…。」
「…わたしも…新一が大好き…。」
再び口づける。最初は軽く唇を合わせるだけだったが、次第に啄ばむ様なキスに変わっていく。
蘭が慣れるのを待って、新一は深く唇を重ね、舌先で蘭の唇や歯列をなぞる。
「…ん…」
今までのどんなキスよりも深い新一の口づけに、蘭が唇の隙間から小さく吐息を漏らすと、新一はその吐息さえも手放し難く更に深く口づけ、蘭の口内に舌を差し入れた。
ビクンッ!
初めて味わう新一の舌の感触に蘭の身体は大きく震えた。
その感触に始めは戸惑っていた蘭も、新一のキスが濃厚になるにつれて、自ら新一の舌に自分の舌を絡めて、応えようとする。
新一は何度か角度を変えながら舌を蠢かせ、蘭の口内全てを味わう様に蘭の吐息を貪っていく。
与えられる深いキスに蘭の身体から力が抜け、膝が崩れそうになる。
新一はそれをしっかりと抱き留めて更にキスを深くしていく。
「…し…新…一…」
蘭が長い口づけに呼吸を整えながら唇を離すと、どちらのものとも分からない唾液が、つ…と二人の唇の間を糸で結んだ。
唇が触れそうな距離を保ったまま、瞳を見交わす。
蘭の瞳は本人すら自覚していない欲情に濡れていた。
新一はそんな蘭が可愛くて、キスを繰り返しながら蘭をベッドに座らせる。
「…オメー、可愛すぎ…。その可愛さは既に犯罪だよ…。」
「じゃ…名探偵の工藤新一が捕まえてよ…。」
蘭は恥ずかしくて冗談混じりに言う。
「捕まえたら…絶対逃がさないぜ?」
「…うん…。」
再び口づけながら、蘭の身体はベッドの上に倒される。
新一は蘭の長い髪を背中に挟まない様にシーツの上に流した。
ああ…そっか…。痛くない様にしてくれてるんだ…。
蘭はそんな新一の優しさを嬉しく思った。
「…本当に…いいんだな…?」
蘭は新一の問い掛けに、恥ずかしそうに小さく頷く。
「…ダメって言われても、今更やめらんねぇけど…。」
新一は蘭の耳元に唇を寄せ、柔らかな耳朶をそっと舐める。
「んん…っ!」
鼻にかかった甘い吐息を蘭が漏らした。
それが可愛くて、新一は耳への愛撫を濃くして行く。
「…や…っ!新一…っ!!」
「へぇ…。蘭、ココ弱いんだ…?」
新一は意地悪をしてみたくなって、蘭の耳の中に舌を差し入れたり、耳朶を軽く噛んだりしながら故意に蘭の耳元で音を立てる。
「やだぁ…っ!新一ぃっ!」
初めてなのに、いきなり弱い箇所を責められて蘭は必死に新一にしがみつく。
「言ったろ?今更やめらんねぇって…。オメーだっていいって言ったじゃねぇか。」
「そ…っそうだけど…っ。ホントに…耳…ダメみたいなの…っ。」
「蘭の弱点、発見。」
新一は嬉しそうに笑うと、チュッと音を立てて名残惜しそうに蘭の耳に口づけ、やっと耳を解放した。
「今度何かあったら、ココ責めよう。」
「…バカ…。」
蘭は真っ赤になって新一を軽く睨む。
新一は再び蘭の唇に口づけた。
濃厚なキスに慣れてきた蘭は、新一のキスに一生懸命に応えようとしている。
懸命になって自分を受け入れようとしている蘭がどうしようもなく愛しくて更に口づけを深くしていく。
「ん…ふぅ…っ…」
何度か角度を変えながら、新一が蘭の舌を味わっていると、蘭が甘い吐息を漏らした。
薄く目を開けて蘭を見ると、蘭はうっとりと瞳を閉じて、頬を紅潮させ、新一との口づけに酔いしれている。
…すげぇ…。壮絶に色っぺぇ…。
初めて見る『女』の顔をした蘭。
夢の中では何度もこの腕に抱いた。
やっと手に入れる事ができる…。
新一は蘭が着ているシャツの釦を外しながら、唇を首筋に移動させた。
次第に露になって行く蘭の肌に吸い付き、時折軽く歯を立てながら、傷ひとつない綺麗な白い肌に紅い花びらを散らして行く。
その度に蘭の身体はぴくんぴくんっと小さく弾む。
「…新…一ぃ…っ」
蘭の身体が小さく震えている。
新一は首筋を愛撫していた唇を再び蘭の耳元へ寄せて、欲情に掠れた声で訊く。
「…怖いか…?」
蘭はためらいながらも小さく頷く。
「ごめんな…。でも、オレもう…止まんねぇよ…。」
「…新一…。」
「オメーが欲しくて…。オメーをオレだけのモノにしたくて…。」
軽く唇に口づける。
「…大丈夫だから…。怖くねぇから…。」
「…うん…。」
新一は蘭の額に、瞼に、頬に、鼻筋に、唇に、顔中にキスの雨を降らせる。
何もかもが愛しくて ――――
蘭は擽ったそうに目を細める。
そうしながら、釦を外した蘭のシャツの袷を開いた。
「あ…あの、新一…。」
蘭が恥ずかしそうに胸を腕で庇う。
「…電気…消して…。」
「さっき電気が消えた時は『やだー』って言ってたじゃねーか。」
「それとこれは別でしょ…?」
「ダメ。消したら、蘭が見えない。」
新一が反論すると蘭は新一の頬をつねる。
「お願い。」
「…これがお願いしてる態度かよ?」
「…は…恥ずかしいの…。」
蘭が真っ赤になって視線を落としながら言うと、新一は遂に観念した。
「…わぁーったよ…。」
新一は立ち上がり部屋の照明を消して、ベッドのサイドランプを灯ける。
「これ位は許せよ?」
ベッドに戻った新一が蘭に口づけながら訊くと蘭は渋々頷いた。
前を開いたシャツから蘭の細い腕を抜こうとすると、蘭は自らその行為に協力した。
胸を覆っている下着の上から口づける。
「…ん…っ!」
下着越しの胸へのキスに蘭はピクンッと小さく反応を示した。
次第にその頂きが固く隆起していくのが布を通しても分かる。
「し…っ新一…っ」
初めて味わう感覚に蘭は不安になって新一の名を呼ぶ。
新一は答える代わりに蘭の手を握った。
蘭自身は気付いてないが、新一には、下着越しの胸への愛撫に蘭がもどかしさを感じているのが分かった。
新一の唾液が蘭の下着に染みを作って行く。
蘭の乳房を直に味わいたくなり、蘭の背中に手を回して下着のホックを外すと、その狭い布から解放された蘭の豊満な乳房が零れ出た。
「あ…。」
ゾク…ッ
外気に曝されて、蘭は身を震わせ、胸を両腕で隠そうとする。
が、一瞬早く新一がその両腕を掴んでベッドに押し付けた。
「何で隠すんだよ…?すげぇ綺麗だぜ…?」
蘭は真っ赤になって視線を外らす。
ドキン…ドキン…ドキン…ドキン…
自分の心臓の音が妙に大きく聴こえる。
「全部見せろよ…蘭…。」
蘭が恥ずかしそうにしながらも小さく頷くと、新一は蘭が履いているジーンズのジッパーを下げ、それを蘭の脚から取り去ってベッドの下に落とした。
細くて綺麗な脚が新一の目の前に曝される。
新一が自らの服を脱ぎ去り、蘭の肢体に残された最後の一枚に手を掛けると流石に抵抗された。
「新一…っダメ…っ!やだよぉ…っ!」
「あーっもう…っ大人しくしろよ!大人しくしねぇと優しくしてやんねぇぞ!」
「だ…っだって…っ!」
蘭は既に羞恥に泣いていた。
「あのさ…蘭。オレも乱暴にしたいワケじゃねぇよ。オレだって初めてなんだし、オメーを抱くのに不安だって感じてる…。」
新一も…不安なの…?
わたしと一つになる事が…?
「だけどオレ…オメーの事、すっげぇ好きだから…どうしてもオメーを…手に入れたい…。すげぇ抱きてぇ…。」
「…新一…。」
「だからさ、大人しくしてくんねーか?…オメーだってオレの事好きでいてくれてんだろ…?」
蘭は大きな瞳に涙を湛え、新一を見つめる。
だーッ!もー…可愛いなコイツは…ッ!
新一は蘭に軽く口づけると再度、下着に手を掛けた。
「…脱がすぞ…?」
蘭は自分の顔を両手で覆って、表情を見られまいとする。
ゆっくりとその下着を引き摺り下ろすと、蘭の秘められた花園を隠す様な淡い茂みが現れた。
新一は完全に下着を取り払うと、少し身体を離して蘭の肢体を見つめる。
蘭はまだ顔を隠している。
「蘭…。顔見せろよ…。」
新一は、蘭の震える手を握って顔から外させる。
蘭は羞恥に真っ赤になって視線を反らした。
やだ…っ。どうしよう…?!
めちゃめちゃ恥ずかしい…!
真っ赤になりながら涙を零す表情も、
羞恥に桜色に染まる柔肌も、
形の良い豊かな乳房も、
括れたウエストのラインも、
長く細いすんなりとした脚も、
その奥に隠された花園も…
何もかもが新一を魅了して止まない。
「…蘭…すっげぇ綺麗…。」
新一の声が低く、それでも優しく蘭の耳を擽る。
「オレが今まで見た事のある『綺麗』って形容されるどんなものよりも…オメーのカラダが一番綺麗だよ…。どんな綺麗な女神だって、オメーの足元にも及ばねぇぜ…?」
「新一…気障すぎ…。」
「…バーロ…、本気で言ってんだよ…。」
新一は蘭の上に重なってその柔らかな肢体を抱き締める。
うわ…っ、ヤベ…!
蘭の固く尖った乳首を直接肌に感じ、新一は自分自身が熱くなるのを感じた。
すぐにでも蘭の中を貫きたいと熱く脈打つ猛りを押さえ、蘭をぎゅっと抱き締めたまま口づける。
「…んん…っ」
蘭はそんな新一の早る心を知ってか知らずか甘い吐息を漏らし、新一の口づけに舌を絡ませて応える。
新一は少し身体を浮かせて蘭の柔らかな胸の膨らみを掌に包み込んだ。
「ん…っ!」
すっげぇ柔らけぇ…
触れてるだけで気持ちイイ…
蘭のソレは想像以上に柔らかく、新一の思考を融かしていく。
新一は口づけを激しくしながら、掌に包み込んだ蘭の乳房を軽く揉む。
「ん…っ!んん…っ…んっ、ふ…っ」
唇を離して両手を使い、蘭の乳房を軽く揉んでやる。
「んんん…っ!!」
蘭は自分の手の甲を口に当てて、声を殺していた。
「蘭…声出せよ…」
「…や…っやだ…っ」
「感じてんだろ?なら、声聞かせろよ…。」
蘭は、恥ずかしがって、ふるふると首を振る。
「…ったく…。意地っ張りだな…。ま、いっか…すぐに声出せる様にさせてやっから…。」
新一の低い声が、少し意地悪い色を含んで蘭の耳を刺激した。
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