『砂時計』

第六章  『悲しい交わり』




「ん…あぁ…ふ…っ」


新一の部屋に押し殺したような蘭の声が響く。


既に新一も全てを脱ぎ去り、二人とも一糸纏わぬ姿でベッドの上で抱き合っていた。
互いの体温が心地よく、更にその熱さを感じようと、強く抱きしめ合う。

蘭は、新一から与えられる愛撫に漏れそうになる声を自分の手の甲を噛む事で耐えていた。
「蘭…声、我慢しねーで聞かせろよ…もっとオメーの声が聞きてぇ…」
胸の感じやすい頂を新一の指先がクリクリと摩り、空いたもう一方の胸の頂に口付け、吸い上げる。
「は…あぁん…っ」
敏感な所を攻められ、蘭の声は甘さを増していく。
「そうだ…もっともっと…感じて聞かせてくれ…蘭…」
口で愛撫していた乳首を、新一は舌に転がした。
「や…っああぁん…んっ」
新一はベッドに横たわって愛撫していた蘭の上半身を抱き起こすと、背後からその身体を抱えるようにして、彼女の柔らかな耳を噛みながら左手で胸の頂を弄り、右手を蘭の脚の間へと伸ばしていった。
そのまま、蘭の大事な箇所を隠している淡い繁みを指先で梳く。
後ろから抱えられるように抱きしめられた為、背中に新一の汗ばんだ肌を、…腰に新一の熱い昂ぶりを感じ、蘭は身を捩った。

「…あ……新一…」
蘭が欲情に潤んだ瞳で新一に振り向いた。
薄く開いた紅い唇は濡れ光り、新一を誘う。
「蘭…」
求められるまま、口付ける。
舌を絡め取ると、蘭も自ら舌を絡ませて口付けに応えてくる。
蘭の口中を夢中で味わいながら、新一は蘭の繁みを梳いていた右手を更に奥へと滑らせた。
くちゅ…と小さな水音を立てて、新一の指が蘭の秘所を撫でる。
「ん…んん…っ!」
敏感な胸の頂を指先で弾かれながら、更に敏感な秘部への愛撫に、蘭は口付けで声が出せない、くぐもった音で反応する。
既に其処は新一の愛撫を感じて、溢れんばかりに潤っていた。
与えられる快感に、蘭の全身から力が抜けてゆき、後ろから羽交い絞めのような格好で愛撫している新一に、体重を預けた。
新一は蘭の身体を受け止め、閉じそうになる蘭の膝を秘所に伸ばした右腕の肘で押さえつけ、開かせたその中心に指を差し入れた。


「ふ…んん…んく…っ」

激しく口付けられ、左手で乳首を探られながら新一の長い指が挿入する快感に、蘭はきゅっと眉を寄せた。



―――あ…新一の指が…わたしの中に…


嫌悪感は全くない。
痛みがないワケではないけれど、あの日はあれ程嫌だったその感覚が、今は悦びに感じる。

「…すげ…蘭のココ…すげぇ熱くて…柔らけぇ…」
やっと唇を離すと新一は、恍惚とした声で蘭の耳元に囁いた。
「あ…あぁ……ぁん…新一……」
強請るような声に、新一は指の数を一本増やした。
「ん…っ」
「キツクねーか…?」
心配するような新一の声に蘭は安心感を覚え、うっとりとした表情で頷いた。
「…気持ち…イイ…」
思いがけない言葉に、新一は目を丸くした。
「オメー…」
「ん…?」
無意識だった。思った事が素直に口をついただけ。
新一はそれに気づいて、蘭の中に埋める指をもう一本増やした。
「ん…っあ…しん…ぃちぃ…っ」
背後から愛撫を続ける新一の腕に、縋り付く。
蘭の其処は紅い花が咲いたように充血して、ヒクヒクと息づいているようだった。
新一の与える快感に、蘭の小さな肉芽が姿を露にしている。
その芽を新一は空いた親指でクリクリと摩った。

「ひゃっ!」

蘭の身体が敏感に反応を示す。
「蘭…気持ちいい…?」
「やぁ…っん、んん、そんな事…訊いちゃ…やぁ…っ」
蘭はイヤイヤをするように、首を振って快感から逃れようとしている。
「聞きたいんだ…蘭の本音…」
新一の真剣な声に、蘭は少し振り向いて、新一を見た。
「さっきは素直に聞かせてくれただろ…?」
「…さっき…?」
無意識だった為、蘭は記憶していない。

「指入れた時さ、気持ちイイって言ったじゃねーか…」
言いながら、新一は指の動きを止めない。
「うぅ…ん…やっ…覚えて……んん…な…っあん…っ」
新一の指の動きに、蘭は言葉が巧く繋がらずに息も絶え絶えと言った感じで答えた。
「なぁ…蘭…聞かせろよ…?ココ、気持ちイイか…?あの日は無理やりに言わせちまったから…オメーの本当の声で聞きたい…」
そう言いながら新一の指の動きが更に激しくなる。
「やぁんっ!んっ!イイ…っ気持ちイイよぉ…っ!」
蘭は慣れない快感から逃れようと、必死に新一の腕にしがみ付いた。
「蘭…」
新一は蘭の身体を反転させて、自分の方に向かせ、蘭の綺麗な瞳を見つめた。
その瞳は欲情の為か羞恥の為か新一を誘うように潤んでいた。
白くて華奢な蘭の身体をぎゅっと抱きしめる。
「…し…ん…」
新一の名を呼ぼうとした蘭の声は新一に口付けられる事で、彼の唇に飲まれていった。
「ん…っ」
唇から首筋、胸元へと新一の唇が移動していく。
敏感な乳首を掠めるようなキスをして、その唇は下腹部へと降りていく。
「あ…」
新一の次の行動を予測して、蘭の秘所からクプリと蜜が滴った。
その綺麗で長く白い脚を大きく開かせると、新一はその中心に舌を当てた。

「ふ…っ!」

ピチャ…と卑猥な音を立てて新一の舌が自分の秘所に当てられる快感に、蘭は鋭く息を呑んだ。
新一は蘭の其処を口で覆うように吸い付き、舌を中へ入れ込む。
「あ…っ、あぁ…っ、あん…あふ…っ」
舌の動きに合わせて、蘭の甘くて切ない声が新一の耳に聞こえる。
蘭は何かに縋るように、新一の髪を指に絡めた。
「蘭…」
目の前で震える肉芽を新一は指先で暴きながら、蘭の其処を激しくすすった。

「…しんいち…しんいちぃ…っ」

泣き声にも似た蘭の声に顔を上げると、蘭はポロポロと涙を零しながら、新一の目を見た。
その頬は紅潮し、薄く開いた唇から紅い舌が見え隠れしていて、新一は堪らず蘭の身体をベッドに沈めた。
「…蘭…!」

深く口付け、夢中で舌を絡め取る。蘭もそれに応えて自ら舌を絡ませてくる。
新一は蘭の長い脚を開かせ、自分の肩に抱えると新一は、己の熱を蜜が溢れる蘭の中心に宛がった。

「…んふ……っ」
熱さに蘭が吐息を漏らす。
新一が蘭の其処から溢れ出す蜜に自分自身を絡める。
「…あん…」
新一の熱棒の先端を自分の秘所に感じて、蘭は甘く呻いた。


「蘭…挿れるぞ…?いいか…?」
「………うん……」

新一の言葉に、蘭は涙が溢れる瞳を固くを閉じ、シーツをギュッと掴んで答えた。


「…蘭っ!」
グッと新一は腰を進める。
「きゃぁっ!」
訪れた圧迫感と痛みに、蘭は悲鳴を上げた。

蘭の其処は、一度新一を受け入れたにも関わらず、新一の侵入を拒んでいるかのように閉ざされている。
「蘭…力抜いて…」
「ん…新一ぃ…」
消えそうにか弱く響くソプラノに、新一は蘭の頬をそっと撫でた。
蘭は目を閉じたまま、自分の頬に触れる新一の手に、自分の手を重ね、新一の掌にキスをする。
「…蘭…」

徐々に蘭の身体から力が抜け、キツク拒んでいた箇所が柔らかく新一の熱を包み込み始めたのが、新一には判った。
それでも新一は無理に動くことはせず、蘭の額や瞼、頬に優しく口付けながら、蘭に問う。
「蘭…ツラくねーか…?」
蘭は新一の背に回した手で、縋るように新一を抱きしめながらコクコクと頷き、思わず新一の背に爪を立ててしまった。

新一の身体がゾクッと震える。
蘭に与えられる背の痛みさえ、快感に摩り替わっていく。
「蘭…!蘭……ッ!!」
その快感に耐え切れず、新一はググッと大きく腰を進めた。

「ひあっ!!」

蘭の口から声に鳴らない悲鳴が上がった。

「ごめんな…蘭、痛ぇだろ…?」
新一が蘭の涙を舌先で拭いながら言うと、ぎゅっと強く瞳を閉じていた蘭が恐る恐る目を開けて新一を見つめる。
「い…いいよ…痛くても…痛いくらいの方が…新一を感じられるから…っ」
蘭は再び新一に縋り付く様にその背を抱きしめた。
「もっと…痛くして…!」
「…蘭…っ!」
「もっと…もっといっぱい新一を感じさせて……!」

新一も蘭を強く抱きしめ、蘭の唇に自分の唇を重ねる。
互いが互いを求め、深く強く口付合う。
「動いてもいいか…?」
蘭の唇を開放し、唇が触れそうな距離を保ちながら新一が言うと、蘭は涙が溢れる瞳で新一を真っ直ぐに見つめて頷いた。
「蘭…!蘭…っ!」
「ああっ!新一…っ!」
激しく動く新一に、蘭は悲鳴に近い声で新一を呼ぶ。
「新一…新一ぃ…っ」

蘭は泣きながら新一にしがみ付き、言葉にならない声で新一に問いかける。
「ね……新ぃ…っ?わた…っ…今…しん…ちと…っ」
「…ん…?」
蘭が何かを言おうとしているのを察して、新一は動きを緩めた。
「新一と…一つになって…る…だよね…?」
「ああ…」
「…嬉し…よ…今、わたし…凄く幸せだよ…?」
そう言って涙を流しながらも綺麗に微笑む。

言葉にできない愛おしさがこみ上げて来る。




何故この愛しい人を自分は傷つけてしまったのか。


何故この愛しい人に自分は酷いことをしてしまったのか。


何故この愛しい人を自分は泣かせてしまうのか。



「蘭…愛してる…誰よりも…」
「…うん…知ってる…知ってるよ…?」
そう言って蘭が微笑む。


堪らない愛しさに新一の律動が激しさを増し、蘭は襲い来る快感に絶頂を予感して、大きく首を振ってそれから逃れようと試みる。
「し…ぃちっ!や!ああっ!やぁっ!…も…わたし…っ!」
新一は蘭の様子に気づいて、蘭の脚を更に大きく広げると一番奥まで突き上げる。


「や!あ!ダメ…っ!!やだぁ…っ!」
「蘭…っ、いいよ…もう…っ、一緒にイッちまおう…?」
更に大きく新一が突き上げると、蘭の思考が真っ白に染まった。
「あ、あああああああ………んんんッッッ!!!」
「…くぅ…っ!…蘭…っ!!」




蘭の内部に強く抱きしめられた新一も上り詰め、蘭の最奥に己の白濁した体液を放った…――――




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