『 砂時計 』

 

 

第二章『 破戒 』

 

新一の狂気の色に染まった目が蘭を射貫く。

蘭は新一が今から自分にしようとしている事を女の本能で察した。

「い…やぁっ…!新一っ!!離してっ!!」

蘭は必死に新一の腕から逃れようと身体を捩って抵抗を試みる。

 

「暴れんじゃねぇよ!…大人しくしてねぇと痛い思いするぜ…?」

「いやっ!新一!ふざけないで!!離してよ!!」

蘭は更に激しく身体を捩って抵抗をする。

「…チッ…!」

新一は舌打ちをすると蘭の両手首を片手で一つに掴んだまま、自分の制服のネクタイをシュルッともう片手で解いて、頭の上の方に持ち上げた蘭の両手首を縛り、スチール棚の支柱に結び付けた。

「し…、新一…!?」

「イイコにしてりゃ気持ち好くしてやるよ…。」

新一の欲情に掠れた低い声が蘭の恐怖心を更に煽り立てる。

 

新一は蘭の制服のブレザーの釦を乱暴に外し、蘭のネクタイを解いていく。

「や…っ!やだぁっ!新一ぃ!お願い…やめて…っ!!」

蘭の制止の声は新一には届かず、虚しく部屋に響くばかりだった。

「ねぇ!新一!!やめて…!誰か来たら…っ!」

「誰も来やしねぇよ、こんなトコ…。」

新一は蘭の襟元に手をかけると釦を外すのももどかしく蘭のシャツを乱暴に引き裂く。

ブチブチッと音を立てて釦が弾け飛び、新一の目の前に蘭の胸を覆い隠している下着が現われた。

「いやあああああっ!!!」

蘭の泣き叫ぶ声が更に新一の官能を刺激する。

 

シャツの下の胸を隠している下着が新一の目に曝され、新一は初めて見る蘭の下着姿にゴクッと生唾を飲み込んだ。

蘭の苦しそうな呼吸に合わせて、薄いブルーの下着で覆われている双丘が激しく上下している。

「新一…っ!もう、やめて…っ!!…お願い…。」

「やめてほしけりゃ、オレなんかキライだって言えよ…。」

 

  キライ

  ダイッキライ

 

そう言いたいのに…。

新一の瞳に見つめられると言えなかった。

 

  ホントウハ スキダカラ

  ダレヨリモ ダイスキダカラ

 

蘭だって考えていた。

大好きな新一といつかは結ばれたいと…。

幸せな気持ちに包まれて、愛し合って新一に抱かれる筈だった。

それが、どうしてこんな形で新一に求められなくてはいけないのか…。

 

「どうした?蘭…。…イヤなら言えよ。オレが大嫌いだと…。」

 

それだけは言えない。

それを言ったら新一を傷付けてしまう。

自分をも傷付けてしまう。

嘘でもその言葉だけは言いたくない。

何故新一が自分にその言葉を求めているのか判らない。

 

「ホラ、得意の空手で抵抗してみろよ?」

 

何かがおかしい。

新一がこんな事をするなんて…。

こんな事を言うなんて…。

唯の嫉妬だとは思えない。

 

蘭は小さく首を振ると、懇願するように同じ言葉を繰り返す。

「やめて…。お願い…。」

泣きながら震えて言う蘭の姿に新一の欲望は更に膨れ上がる。

まるで肉食獣に怯える小動物のような瞳をしている蘭…。

もっと怯えさせたい。

蘭を征服したい。

蘭を支配したい。

 

新一は蘭の胸を隠している下着を胸の上に押し上げた。

 

「や…っ!」

下着を押し上げると、プルッと蘭の白く豊満な胸が零れ出る。

「やぁ…っ!見ないで…っ!!」

蘭は羞恥に真赤になって、新一から視線を逸らせた。

新一の口から感嘆の溜息が零れ出る。

「…へぇ…。すげぇイイ形してんだな、オメーの胸…。こういうのって全裸よりそそられるよな…。」

新一が渇いた唇を舐めながら楽しそうに言う。

 

蘭はその仕草にゾクッと身震いをした。

全身が新一を感じて反応をしてしまう。

(やだ…っ!オカシイよ、わたし…っ?)

 

蘭のその反応に気付いて、新一は口の端でニッと笑う。

両手を縛っている為にシャツは脱がされる事はなく、肌蹴たまま。

その間から見える双丘は下着を上に押し上げられて新一の目の前に曝されている。

双丘の頂に置かれた蕾は新一の視線を感じて紅く色づいていた。

 

舐め回すかのような新一の視線から蘭は身を捩って逃れようとするが、両手を縛られ、身体の上に新一が乗り上げている為、身動きがとれない。

「蘭…知ってるか?ココをこうするとさ…。」

新一が蘭の胸の頂に指を伸ばした。

「や…っ!」

初めて他人の指に蕾を触れられ、蘭の身体はビクンッと大きく弾む。

「くくく…っ…ホラ、蘭…乳首勃ってきたぜ…?」

新一は自分の指の動きに蘭の身体が反応するのが楽しいかのように喉の奥で笑いながら蘭を言葉と指で攻め立てる。

 

(どうして!?こんな事イヤな筈なのに…!)

蘭は自分が新一の言葉と指に感じてしまっている事を自覚出来ないでいた。

 

「んん…っ!」

新一は蘭の胸の蕾を指で嬲りながら蘭に乱暴に口づけた。

「んふ…っ…」

新一に与えられるキスなんて慣れている筈なのに…。

でも…蘭が知っているのは羽毛のように暖かく包み込んでくれる優しいキス…。

こんな乱暴なキスなんて知らない。

自分の唇を濡れた舌で舐め回される生々しい感触に鳥肌さえ立つ。

 

「…ツ…ッ!」

新一は突然唇を走った痛みに蘭の唇を解放した。

蘭が抵抗を試みて新一の唇に歯を立てたのだった。

新一の下唇に血が滲んでいる。

蘭は泣きながらも新一をキッと睨む。

 

「…上等じゃねぇか…。」

新一はニッと笑って、その血を舌で舐め再び口付けた。

「んんっ…!!」

閉ざされた蘭の唇を舌先でこじ開けて口中を侵していく。

蘭が抵抗すれば抵抗する程、新一の欲情は煽り立てられる。

 

先程のように蘭に噛み付かれないよう、蘭の細い顎をしっかりと掴んで口を開かせ、奥で震える蘭の舌を見つけ出して自分の舌に絡め取り、蘭の口中に溜まった唾液を啜り上げる。

蘭の唾液を飲み込みながらも自分の唾液を蘭の口中に流し込んでゆく。

どちらのものかも判断しかねる唾液が口の端から零れ出た。

そうしている間にも新一の大きな掌は蘭の胸を包み込み、揉み上げながら、指先で蕾を弄っていた。

「…ん…いゃぁ…っ」

息を継ぐ為に唇を離すと蘭の唇から否定の言葉が零れる。

「イヤ?…何がイヤなんだよ…?こんなに乳首コリコリにしてんのにさ…。」

新一は蘭の耳元に息を吹きかけながら笑いを含んだ声で言った。

ゾクリ…と蘭はその声に反応をしてしまう。

カリッと新一の歯が蘭の耳朶に立てられ、蘭は言いようのない感覚に身体を震わせた。

「は…ぁあん…っ」

 

蘭はその感覚を認めたくなくて、弱々しく首を振った。

新一は蘭の様子に薄笑いを浮かべながら言う。

「蘭…気持ちイイんだろ…?」

新一の言葉に蘭は首を小さく振った。

「…いやぁ…!」

(こんな事されて気持ち好い筈なんかない…!)

「蘭…、嘘言うなよ…。カラダは気持ちイイって言ってんだぜ…?」

 

熱い舌がクチュッと音を立てて蘭の耳に差し込まれる。

「ぁあ…」

新一は蘭の胸を掌と指先で弄りながら耳朶を舐め回した。

「んん…っ…ぁん…いやぁ…新い…っやめ…っ」

蘭の声は既に甘く濡れていて、言葉にはならない。

 

新一は蘭の耳元から首筋に唇を這わせながら、左手の親指と中指で胸の蕾を摘んで人差し指の腹を使ってグリグリと撫でる。

「あぁんっ!」

そうしながら、右手は蘭の腿を撫で上げていく。

スカートの裾はもう際どいラインまで捲くれ上がっていた。

 

新一は蘭の首筋にキツク吸い付き、時折強く歯を立てながら白く穢れない肌に紅い花びらを散らしていく。

鎖骨に軽く噛み付くと蘭の口から甘い息が洩れ出る。

「あ…ふっ…」

新一の歯が肌に立てられる感覚に蘭は痛み以外の何かを感じていた。

 

新一が唇を蘭の肌から離すと、蘭の白い肌には新一が吸い付いた痕が点々と残っている。

蘭は自分のモノだと言わんばかりの紅い刻印を確認して新一は満足気に笑みを浮かべた。

舌の先に力を入れて蘭が反応を示す処を舐め上げてはその肌を啄ばむ。

「蘭…もっと声…上げろよ…。」

 

蘭はふるふると首を振る。

声を上げてしまったら新一のこの行為を許してしまう気がして。

「大嫌い」と言えない蘭の必死の抵抗だった。

 

「…じゃ、声出させてやるよ…。」

首筋を這っていた新一の唇は次第に蘭の胸元に降りてゆく。

「あ…あ…」

(何…?この感じ…っ?)

身体がオカシイ。

まるで新一の温かな口中に迎えられるのを期待しているかのように、胸の頂がツンと張って疼いている。

腰の辺りからザワザワと何かが這い上がってくる。

 

新一はそんな蘭の様子に気付いて、口の端でニッと笑うと、蘭の期待に応えて蕾にしゃぶりついた。

「ああんっ!」

蘭の口から嬌声が零れる。

胸の頂から全身に甘い痺れが走った。

新一は口に含んだ蕾にねっとりと舌を絡ませながら意地悪く言う。

「イイ声だぜ?蘭…。気持ちイイだろ…?」

「ぁあ…っ!…いやぁ…っ!し…っぃち…っ」

口をつけていない方の膨らみを掌で包み込み乱暴に揉みながら、空いた手を蘭の脚の間に差し入れた。

「や…っ!」

蘭は反射的に脚を閉じようとするが新一はそれを許さない。

無理矢理蘭の脚を開かせて自分の身体をその間に置く。

腿を撫でていた新一の手は、次第に捲くれ上がったスカートの中に差し込まれていき、下着に触れた。

 

「いやあ!!新一っ!やめて!!やだぁっ!!」

どうにか新一に下着を脱がされないようにしようと脚をバタつかせて抵抗を試みる。

「…ちっ…このじゃじゃ馬…。」

 

新一は舌打ちしながらも、蘭が抵抗する事を楽しんでいるのか、口端に笑みを載せて床に落としたままになっていた蘭のネクタイを取り、蘭の右足首を自分達の横にある棚の支柱に縛り付けた。

これで蘭の手足で自由に動かす事が出来るのは左足だけになった。

「いやぁ!…お願い、新一…っも…やめて…!」

「馬鹿言うなよ…。ココまでしてやめられるワケねぇだろ…?」

新一は蘭を求めて熱く勃ちあがった欲望の塊を、服越しに蘭の大腿部に押し付けた。

「!!」

「…わかるだろ…?蘭…。オメーが欲しいんだよ…。コイツがオメーの中、貫きてぇって言ってんだよ…。」

耳元で熱く囁かれ、腿に新一の固い楔を感じる。

その感触に蘭はゴクリと唾を飲んだ。

 

蘭自身は気付いていない。

蘭の中に眠っている『女』が目を覚まし始めている事を…。

 

感じてしまっている自分を認めたくなくて蘭は首を振る。

「…や…やだぁ…。」

既に弱々しくなっている蘭の抵抗の言葉も構わず、下着に手をかけて引き摺り下ろす。

ソレを下ろされかけて、蘭は我に返った。

「いっ、いやあっ!!」

新一の目の前に淡い繁みが姿を現す。

「やだぁ!!やめてぇっ!!新一っ!!」

蘭の抵抗など全く無視して下着を完全に下ろすと、新一はその下着を蘭の左足から抜き取り、ソコに手を差し込んだ。

「ぁあんっ!!」

誰も触れた事のない秘められた処に新一の指を感じて、蘭の口から甘い声が上がる。

 

「すげぇ…。もうぐちょぐちょだぜ…?オメーのココ…。」

蘭の意思とは裏腹に、新一に与えられる刺激に、蘭の秘所は溢れ出した愛液で塗れていた。

 

今まで経験した事のない恥ずかしさに呼吸が苦しくなる。

 

新一は蘭の胸の頂を舐め回しながら蘭の花園を弄った。

「あん…やぁ…あん…あぁ…っ」

新一の手の動きに合わせて、蘭の口から弱々しい嬌声が零れ出る。

「もっと、声出せるだろ?」

濡れた花芯に新一は指を突き入れた。

「ぃやあああっ!!」

「ホラ…蘭、もっと声出せよ…。」

 

…どうして…?

…何で新一がこんな事をするの…?

 

蘭の頭に浮かぶのはその疑問だけ。

他には何も考えられない。

「でもさ…、指よりもっとイイモンこの後くれてやっから…。…とりあえず指でイッちまえよ…。」

 

蘭には新一の言う事が理解出来ない。

 

少しずつ新一は指の本数を増やしていく。

三本の指を根元まで埋め込むと、蘭の中を激しく掻き回した。

「あン!!ぁあ…っふ!いや!いやぁ!!」

「ホラ、なんかヌルヌルしたモンがオレの指に絡み付いてる…。」

グチュグチュと新一の長い指に掻き回されて、蘭は言いようのない感覚に支配される。

「いや!し…ぃち!!いや!!やめ…っ」

「くくく…っ、気持ちイイだろ?蘭…。オメーのココ、すげぇ美味そうにオレの指、咥え込んでるぜ…。」

「いやぁ!!ぁあ!!」

新一はわざと卑猥な言葉を用いて、笑いを含んだ声で蘭を責め立てていく。

自分の指が蘭の愛液に塗れるのも構わず、新一は激しく指を抽挿させながら、新一の指を感じてぷっくりと膨らんだ花芽を、空いた親指の腹でグリッと擦りあげた。

「ああんっ!!」

「蘭…。イッちまえよ…。」

「ん!んん!!いや!いや!や…ぁ、いやあ!!」

蘭が泣き叫ぶ姿を新一は嬉しそうに見ている。

 

(何なの!?この感じ…っ!わたし…オカシクなる!!)

 

「イけよ、蘭…!!」

「ぃ…っや、あ、ああああああああああああああっっっ!!!!」

 

新一が花芽を強く撫で上げながら一旦ギリギリまで引いた指を奥まで一気に突き入れると蘭が甘い悲鳴を上げて絶頂に達した。

 

「…蘭…、…イッちまったか…?気持ち好かったろ…?」

新一は蘭の愛液に塗れた自分の指を舐め取りながら楽しそうに言う。

蘭の性格からして蘭は恐らく自分で「した」事なんてない。

初めて蘭に快楽を与えたのは間違いなく自分なのだ。

「くく…っ」

新一はその事に満足して喉の奥で笑った。

 

蘭は呼吸さえ整える事が未だできず、目を閉じたまま肩で激しく息をしていた。

カチャカチャ…と新一がベルトを外す音が蘭の耳に届くが、蘭には何の音か理解出来ない。

ジー…ッと幽かな音をさせて制服のズボンのジッパーを下ろし、新一は熱く勃ち上がった肉の楔を狭い布の中から解放する。

蘭を求めて猛り狂ったソレは己の存在を誇示するかの如く、天を向いている。

蘭の息が整うのを待たずに、新一はネクタイで縛り付けてあった蘭の右足を解き、両足を大きく開かせて自分の肩に抱え上げた。

 

「…んん…っ」

新一の猛りがソコに押しあてられる感触に蘭が甘く呻いた。

「……蘭……っ!」

ググッと腰を進めて、新一は蘭の中に侵入して行く。

 

「ひゃっ!あああああっ!!」

蘭があまりの痛みに悲鳴を上げる。

指なんて比べ物にならない程の激しい痛みが蘭を支配している。

「ああっ!あン!!いやっ!いやぁ…っ!痛い!!」

「く…っ…!力、抜けよ…、蘭…!」

新一は蘭の胸に唇を這わせながら言うが、痛みに凌駕されている蘭には新一の言葉は聞こえない。

「蘭…、力抜けって…。それじゃ入んねぇよ…。」

そう新一が言っても、蘭は痛みを訴えるだけで力を抜く事ができないでいた。

 

「そんなにキツク締め付けんじゃねぇよ…。こっちが先にイっちまうだろーが…。」

「ぅうっ…、痛っ…!しんぃ…っ、あ、ああ!」

蘭のソコに強く締め付けられて、新一は奥まで進む事ができない。

新一は蘭の胸の蕾に舌を絡ませながら掌と指先で蘭の全身を愛撫し、蘭の緊張が解けるのを待った。

 

やがて新一を締め付けていた蘭の内壁が新一を受け入れるかの様に熱く絡みついてきているのが判り、新一は蘭の最奥まで一気に欲望の楔を突き入れた。

「ああぁンッ!!」

「すげぇ…、オメーの中…すげぇイイぜ…たまんねぇよ…!」

新一は恍惚とした声で蘭の耳元に吐息交じりで囁く。

「想像以上だよ…。オメーの中…。オメーも気持ちイイだろ…?」

新一は蘭に答えを促しながら腰を揺らす。

「あぁぁン…っ!」

蘭は甘く鳴きながら首を小さく横に振った。

「イイって言えよ…!蘭!」

「いゃぁ…っ!」

新一は悔しそうに唇をきゅっと噛むと、蘭の胸を揉みながら、その頂を舐め上げる。

「なぁ…蘭…気持ちイイか…?」

 

痛み以外の何かが蘭を支配している。

蘭は辛うじて弱々しく首を振る。

「よくねぇのか…?そんな事ねぇだろ…?オメーのココ…オレに絡み付いて離しゃしねぇぜ…?」

「あん…っ!」

蘭の胸の蕾を口に含み、舌先で転がしながら新一は再び蘭に問う。

「ホラ…蘭…。気持ちイイだろ…?」

新一に奥まで貫かれながら胸の敏感な箇所を舌で攻めたてられて、言いようのない快感に蘭は遂に頷いた。

「…ィィ…」

幽かな声だったが新一はその言葉を聞いて更に激しく蘭を突いていく。

蘭はもう、痛みを感じていない。

自分の上で荒く息を吐き出しながら、激しく律動を続ける新一を見ると、新一が目を合わせてきた。

 

(しんいち…?)

蘭の目には新一が泣いているように見えた。

涙はない。

でも新一の瞳の奥に哀しげな光が滲んでいる。

(どうして、そんな目をしてるの…?)

蘭の思考はここで途切れた。

「ん、ぁああんっ…!!」

激しく動く新一に思考も何もかも奪われていく。

 

「あぁっ!新…いっ…しんいちぃ…っ!!」

「蘭…蘭…っ!!」

熱に浮かされたようにお互いの名前を呼び合う。

 

新一は加減できずに蘭を突き上げる速度を徐々に上げていった。

「あン!あン!あぁン!!」

新一の腰の動きに合わせて蘭の口から甘く切ない声が上がる。

「蘭…イきたいだろ?遠慮すんなよ…。」

「し…っ、しんいちぃ!!」

蘭が自分の名を呼ぶ甘い声に、新一は何もかも忘れて、蘭を激しく突き上げていく。

「あ!あ!し…っ、しん…っいちっ!」

「く…っ、蘭…!蘭…っ!!」

蘭の名前を呼びながら蘭を高みへと追い詰めていく。

「いや!ン!!ンン!!いやぁ!!もぉ、…わたし…っ!」

「蘭…!!ホラ…イけよ…!!」

新一は蘭の花芯からギリギリまで腰を引くと一気に最奥を突き上げた。

「い、あ、ひゃっ、あああああああああああああああぁぁンッッ!!」

「ふ…っくぅ…!ら、蘭……!!」

蘭が甘い絶頂の悲鳴を上げて果てると、新一は蘭の強い締め付けに耐え切れず、蘭の最奥に白濁した欲望の熱い体液を叩きつけた…。

 

 

 

 

 

「新一君!」

新一は教室に戻る途中、階段の下の方から園子に呼ばれた。

「蘭、屋上にいた?」

園子の問いに新一は答えず、園子と同じ高さまで階段を降りた新一は、蚊の鳴くような小さい声で園子に言う。

「蘭、今…資料室にいる…。」

「資料室?何でそんなトコに…。」

園子はふと、新一の顔色が優れない事に気付いた。

「…どうしたの新一君…顔、青いよ?」

新一の表情が園子には読めない。

伏目がちで目の焦点が合っていない感じだった。

「新一君?何か調子悪いんじゃない?」

園子の心配を無視して新一は言葉を続けた。

「アイツ、一人じゃ帰れねぇと思うから…、行ってやってくれ…。」

新一はそれだけ言うと教室の方に歩いて行った。

「え!?ちょっと、新一君!?新一君の役目でしょ〜〜〜!?」

 

園子の言葉が全く聞こえていないのか、新一は園子の方を振り向く事無く行ってしまった。

「も〜〜〜…っ、何なの?一体…。まだ喧嘩してるワケ〜…?」

とりあえず新一に言われた通り、資料室に向かう。

 

 

「ら〜〜〜ん?いるの〜〜?」

ガラガラっとドアを開けながら部屋の中に呼びかけると、部屋の隅にペタンと座っている蘭の後姿が目に入った。

肩から制服のブレザーを掛けて後ろを向いたままの蘭は自分の身体を抱き締めて、肩を震わせていた。

「…蘭…?」

園子は状況が把握できずに蘭に近づきながら呼びかける。

 

「…ぅ…うぅ…っ」

「…ら…」

園子に振り向いた蘭の頬は涙で濡れている。

「…そ…のこぉ…っ」

 

肩から掛けたブレザーの下のシャツは引き裂かれたように釦が取れ、それは床に散らばっていた。

蘭のネクタイは床に落ちていて、下着は右の足首に絡まっている。

解放されているものの、蘭の両手首は何かで縛られていたような赤い痣。

そして床に血の跡…。

 

「蘭…?」

漸く園子は蘭の身に起こった事を把握した。

「…蘭…誰に?誰にこんな事されたの…?」

蘭は答えずに泣きながら首を小さく振る。

「…!ま…まさか…新一君…?」

先程の新一の様子がおかしかった事を思い出して、園子はその事に思い至った。

やはり蘭は答えず、園子の肩に顔を埋めて泣きじゃくった。

「そうなの?ねぇ、蘭!新一君がこんな事したの!?」

蘭はただ首を振って泣き続ける。

「どうして!?アンタ達お互いに好き合ってるんじゃないの!?なんでこんな事にならなくちゃいけないの…っ!?」

園子の目から涙が溢れ出した。

そして自分に縋り付いて泣きじゃくる蘭を力いっぱい抱き締める。

「わたし…絶対に新一君を許さない…っ!」

園子がそう言うと蘭はまたも首を振った。

「どうして庇うの!?蘭、アイツにどんな目に合わされたのか分かんないの!?」

蘭は園子の胸に顔を埋めながら漸く口を開いた。

「……新一が…好きだから…。…どんな目に合わされたって…わたしは…新一の事が大好きだから…。」

 

蘭は新一が自分にこんな事をしたのには嫉妬以外の理由が何かあると思っていた。

自分を乱暴に抱いていた時に垣間見せた哀しげな瞳がそう思わせていた。

 

「馬鹿…!蘭は馬鹿よ…!」

園子は泣きながら蘭の身体を精一杯の思いで抱き締めていた……。

 

 

 

 

 

 

翌日…

 

新一は学校を欠席した。

 





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